
小池正典
1984年 埼玉県生まれ
2006年 明星大学造形芸術学部卒
2009年 佐賀県有田窯業大学校卒
主に陶器で立体作品を制作する小池正典。
独特の形を持った生き物のような作品には、それぞれ詩や物語の一節のようなタイトルがつけられています。
日本は一神教ではなく八百万(やおよろず)の神があり、万物にはそれぞれ宿っている魂がある、という考え方を軸に、毎日目にする空の色や身近にある建造物などからインスピレーションを受けて制作を続けています。
日常にある言葉、物の名前、音、匂いなど、通常では記憶に残らないような目立たない存在に名前をつけるように作品を作っているのです。
日頃書き溜めている言葉やスケッチから生まれる陶器の作品には、魂が吹き込まれているようです。

作品を作り始めたのはいつ頃ですか? そのきっかけや影響を受けた出来事があれば教えてください。
大学生の時です。版画専攻でした。リトグラフ作品を制作していました。リトグラフに使用する絵具は発色が良いと感じました。子供の頃から発色が良いものが好きでした。ピンクとか紫とか。色を使う仕事に就きたいと思っていました。
アーティストを目指すようになったのは、どのような経験や思いがきっかけでしたか?
私が29歳の時に村上隆さん主催のGEISAIに出展してから作家になりたいと考えるようになりました。会場にはたくさんの作家がいたのですが作家って格好良いなと思いました。それまではアートにあまり興味もなくなんとなく作品を作って展示をしていたので作家という意識はありませんでした。

現在の作風に至るまで、どのような試行錯誤を重ねてきましたか?影響を受けたものや、転機となった経験があれば教えてください。
絵を描くのが好きでしたが、作家として絵では勝負する事ができないし自信もなかったので、大学卒業後、陶芸を学びました。日用品である食器などを作ればそれらを売って生きていけるかなと思いました。しかし今は工芸ではない表現をしています。結局食器を作る気にはなれず好きな事しか続けらませんでした。物質の素材感が好きなので陶芸で使う土や釉薬は性に合っていると感じてます。陶芸を学ぶ中で得た質感の作り方を生かした作品を作りたいと思ってます。
作品に共通するテーマやコンセプト(アーティストステートメント)について教えてください。
一貫したテーマは時間です。子供の頃から時間が過ぎるのがとても寂しくて何か形にして留めておきたいという気持ちが強かったです。全てのものは形がいずれ変わっていく、そのような様子を形にしたいと思っています。
これまで影響を受けた作家や表現はありますか(絵に限らず、漫画・映画・音楽など)
建築家の藤本照信さんです。自然と融和しているような建築で使用している素材のテクスチャーやデザインが好きです。
作品のアイデアは、日常のどんな出来事や風景から生まれることが多いですか?
身の回りの風景からです。空の色や風の匂いなど季節や時間によって変わるものから着想を得てます。有限性を感じるもの、たとえば植物や人間が作った建築物など時の経過でいずれは形が変わって行くものからアイデアが生まれる事が多いです。

今回、「tagboat Art Fair 2026」に出展される作品について教えてください。
立体物と平面作品を合わせて展示をしたいと思ってます。異なる質感の組み合わせをうまくまとめた作品を展示したいです。
作品を見る人に、「これを感じてもらえたら嬉しい」というポイントがあれば教えてください。
作品の質感を見てもらえたら嬉しいです。質感に作品コンセプトを表現しているつもりです。
今後の制作において挑戦したいことや意識したいことはありますか?
作品の制作過程を見直してる最中です。今まで使う事がなかった素材を取り入れていきたいので新たな素材となるものを探しています。いままで立体物を中心に作ってきたのですが共通のコンセプトで平面作品とアニメーションなど異なる表現方法も確立したいと思っています。同じコンセプトでとれだけたくさんの表現方法を見つける事ができるか挑戦していきたいです。
2月6日(金)ー2月28日(土)開催:アート解放区人形町「ALTER REALITY」

「ALTER REALITY」
会期
2026年2月6日(金) ~ 2026年2月28日(土)
営業時間
平日:12:00-19:00 土曜日:11:00-19:00
休廊:日月祝
会場
アート解放区 人形町
東京都中央区日本橋人形町3-6-9 SPACE ANNEX 1F, B1F
ARTIST
【1F】今関絵美、川﨑夏美、益田由二
【B1F】秋元机(Desk)、大谷太郎、小池正典、榊貴美、長縄拓哉