itabamoeは、2010年代の広告業界で女性像を表現してきたキャリアを通じて、イラストレーションを現代アートの主題として再構築。多様性が謳われる現代における、変遷する女性の美しさをリアルタイムで捉えて描いています。
今回のインタビューでは、創作の原点や表現の変遷、そしてこれから挑戦していきたいことについてお話を伺いました。
itabamoe
東京を拠点に活動する。
文化服装学院を卒業したのち、アパレルデザイナーとして勤務。その後イラストレーターとして広告の世界へ転身し、2021年にアーティストとして活動を開始。
2010 年代の広告業界で女性像を表現してきたキャリアを通じて、イラストレーションを現代アートの主題として再構築して表現し、多様性が謳われる現代の女性の変遷する美しさをリアルタイムで捉えて表現する。
主な実績としてG-SHOCK国際女性デーメインビジュアル・ ロクシタン渋谷店 リニューアル記念ビジュアル・花王ロリエ40周年記念コラボレーション
パッケージ・WWD BEAUTY表紙ビジュアル・渋谷ヒカリエ9周年ビジュアル・資生堂MAQUillAGE プロモーション動画・bareMinerals コラボレーション
パッケージなどがある。
作品をつくりはじめたのはいつ頃ですか?きっかけとなる出来事があれば教えてください。
服飾の専門学校を卒業後、アパレル企業でデザイナーとして就職しましたが、服作りよりもそれを世の中に広める広告に興味が出て、イラストレーターを夢見るようになり行き当たりばったりに退職しました。その後SNSを通してすぐに軌道に乗ったのですが自分のスタイルが確立するにつれて段々とクライアントの求める商業的な作られた理想的な女性像ではなく、今の世の中を生きるありのままの女性像を残していきたいと思い、アーティストとして自分の作品つくりを始めましました。
アーティストを志した背景は何でしたか?
今の時代を俯瞰して見てみると、女性の社会進出も気づけば当たり前になって、自立してセルフプロデュースして道を切り開いていく、長い歴史の中で見れば転換期なのではないかというとても面白い時代だと思っています。美人画など女性をモチーフに大昔から各国で描かれてきましたが、今の時代を強く生きる、女性像のマインドを残したいと思ったのがきっかけです。
作風が確立するまでの経緯を教えてください。
正直まだまだ表現はその時々で常に変わっていくとは思っています。
ただ、イラストレーターとして11年目でもあるので、日々の雑誌や広告のビジュアル制作に追われる毎日で自然と培われた現代女性像というのが私のブレない核になっていると思うし、これからもそうだと思います。
アーティストステートメントについて教えてください。その中で大切にしている考え方があれば教えてください。
アーティストを志した背景にも通づるところがあると思うのですが、その上で今はジェンダーレスや多様化が謳われたり、今まで以上に「女性像」を発信するからには丁寧に言葉や考え方を選ばないといけないと思っています。が、地球上には男性と女性がいて、その中で培われてきた文化やこれからの変化を男女いっしょくたに表現していくこともできないと思うので、自分の女性像という表現をブレずに取り組んでいきたいです。
作品はどのように制作していますか?用いられている素材や技法について教えてください。
アクリルにキャンバスです。キャンバスは紙のようなざらざら質感があるものが好きなので目の荒めな帆布を使用して自分で張っています。
作品を描く際、どのようにしてインスピレーションを得て、イメージを具体化していきますか?
主題が女性なので、自分が女性に対してグッときた瞬間になります。見た目云々というより、その人ならではの魅せ方だったり、セルフプロデュースが上手な方などのもつ空気感を具現化できるように意識しています。
これまでの人生や創作活動の中で、特に影響を受けた人物や作品はありますか?その理由も教えてください。
色々な要素が混ざっていると思いますが、Y2Kが流行ったりしたこともあり、最近お客様によく言われて気づきましたがマンガの矢沢あいさんは強く影響受けています。強く惹きつけられるタッチと空気感は今でも新鮮に感動しますし、そもそも服飾の専門学校に行ったのもご近所物語や当時の雑誌がきっかけだったりします。
ファッションデザイナーとしてのご経験が、現在の絵画表現にどのような影響を与えていると感じますか?
私の描く女性はファッションデザイン画がベースになっているので、ものすごく影響があると思います。そもそもデザイン画を学んでいなかったらこんなに女性を描くようになっていないかと、、。服を魅力的に見せるポーズがあるように、女性そのものを魅力的に魅せるポーズや仕草があるので、たとえバストアップでも首や鎖骨の微妙な傾きなど全身を考えてこだわっています。
個展「Emotional Gravity」では、どのようなコンセプトで展示プランを構成されましたか?
いい女描きます、というキャッチフレーズのように魅力的な女性像を描くことに重きを置いてきましたが、その本質的なものって感覚でしか伝わらない見えないものだと思っていて。こうしてインタビューなどで言葉にして伝える努力はしますが、私の目指す本物にしかない重力みたいなものを描く必要性を改めて問い掛けたいと思い、このタイトルにしました。
今後の制作において挑戦したいことや意識していきたいことを教えてください。
今は抜け殻気味なのであまり思い浮かびませんが、、海外など視野を広げて、その中で
の現代の日本的な美しさなども勉強して意識していきたいと思います
8月22日(金)からギャラリーにて個展「Emotional Gravity」を開催いたします!
itabamoe「Emotional Gravity」
2025年8月22日(金) ~ 9月9日(火)
営業時間:11:00-19:00 休廊:日月祝
※初日の8月22日(金)は17:00オープンとなります。
入場無料・予約不要
会場:tagboat 〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町7-1 ザ・パークレックス人形町 1F
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