TAIKI
日本と韓国のハーフ
1994年生まれ
2017年バンタンデザイン研究所東京校ファッションデザイン科卒業
<展示歴>
2024
IndependentTokyo2024
GINZA ART FESTA in 松屋銀座 (MEDEL GALLERY SHU)
個展 「 1st STEP 」 (Amalgam art gallery)
2025
グループ展 (Blackbird Gallery)
<受賞歴>
IndependentTokyo2024タグボート特別賞
<アーティストステートメント>
「継ぎ接ぎ」というコンセプトのもと制作。社会においてもアートにおいても多種多様なものが共存している現代が
自身のルーツである服飾学生時代に用いていたパッチワークという手法とリンクしたことにより継ぎ接ぎが生み出す造形美の追求を始める。
作品を作り始めたのは何歳頃ですか?きっかけはありましたか?
27歳頃だと思います。
当時、企業でグラフィックデザイナーとして働いていたのですが、常に「なんか違うな〜。」と悶々とした気持ちを持ちつつ過ごしていました。
そんな中、コロナがきっかけでリモートワークが中心になり、自宅にいる時間が増えたおかげで自分と向き合う時間を作れました。
自分が人生を賭けて本当にやりたいことは何か?
真剣に考えた結果「アーティスト」という答えが出て速攻仕事を辞め、活動を開始しました。
学生時代のデニムパッチワーク
作風が確立するまでの経緯を教えてください。
作り始めた頃〜3年目くらいまでは、色をめちゃくちゃに使い気の向くままに作ってピンとこなかったらまた違う作風を試しての繰り返しでした。そして、負の連鎖にはまり段々と何がしたいのか訳分からなくなり制作自体が嫌になりました。
そんな、もがいている中で子供が生まれ、その子がちょうど1歳になる頃、ラクガキをよくするようになったんですがその絵に衝撃を受けました。
思うがままペンを上下左右に動かして描いた絵は、何にも縛られない自由で荒々しい形をしていたんです。
それを見て「あ、もっと自由にやっていいんだ。」と痛感し、自分が一番楽しくカッコいいものを作れていた服飾学生時代の感覚を思い出して、今の自分の感覚とmixしたことでようやくスタイルが作れました。
作品の刺々しいシルエットは、子供の絵からめちゃくちゃインスパイアされています。
お子様の絵
作品を発表し始めたのは何歳頃ですか?発表するまでにどういった経緯がありましたか?
27歳です。アーティストになろうと思ったその年に「IndependentTokyo2021」に出展しました。知り合いのアート関係の方から「こういったものがあるよ。」とURLを送っていただき、何も考えず応募しました。
アーティストステートメントについて語ってください。
「PATCH OF IDENTITY(アイデンティティの継ぎ接ぎ)」というコンセプトのもと制作しています。
「PATCH」は服飾学生時代に好んで使用していた「Patchwork(パッチワーク)」という技法から引用しています。この社会は異なるアイデンティティを持つ者が継ぎ接ぎされて形成されている一つの作品に感じたことから、パッチワークを用いて多種多様なアイデンティティの存在を表現しています。
表現する上で意識していることは、一つ一つのパーツを全て違う形・模様にすること。
似たような見た目はあれど微妙に違いを出しています。人も同様で一人一人が異なる唯一無二の存在であるということを示唆しています。
アイデンティティを重要視しているのは、自身が日本と韓国のハーフとして生まれたことが関係しており、幼い頃から自身の存在に違和感を感じた時期もあったし、アイデンティティについて考えさせられる機会は多かったです。
そんな、過去の自分や現在進行形で悩んでいる人、また、自分とは違う存在を受け入れられない人たちに対して「人は皆違う」というシンプルだけど大事なことを理解してほしい。そんな想いを持ち日々制作しています。
Independent Tokyo 2023の展示作品
作品はどうやって作っていますか?技法について教えてください。
初めに、三角形のキャンバスをひたすら作ります。(大中小様々な形を)
次に、大きな1枚のプラスチック素材にアクリル絵具で不規則なストロークを何層も重ね、それを三角形のキャンバスに合わせてカットし貼り付けていきます。
最後にパーツ一つ一つをその時の感覚でパッチワークしていき完成です。
これ以外にも細かい作業がいくつもあるのでかなり工程が多いです(笑)
パッチワーク中の様子
作品制作で困難な点や苦労する点を教えてください。
なにせ工程が多いので時間がかかるってことは勿論ですが、三角形のキャンバス作りが一番大変です。木材をカットするのと、三角形の角に合わせて生地をキレイに張ることに一番神経を使います。
今後の制作において挑戦したいことや意識していきたいことを教えてください。
作品を常に「進化」させることは意識しています。感覚も進化していくものなので。誰も作れない、見たことがないカッコいいものを作れる自信があるのでその自信をどんどん形にしていこうと思います。
Independent Tokyo 2024の展示風景